発達ガールの交換日記

大人女子二人!ふきちゃん(ADHD)とshe(ASD)が毎週ひとつのテーマについてそれぞれの視点で語ります

2017年の映画と読書(she)

こんにちは!sheです。

2017年ももうすぐ終わりですね。

 

 

今回はイレギュラー回です。

 

私sheが2017年に見た映画と、読んだ本の中で

「一番おもしろかった」ものを独断で紹介します!

 

それでは早速!

 

 

映画部門1位「沈黙」

原作は遠藤周作が1966年に発表した歴史小説です。

ざっくりあらすじを説明すると、

 

「日本でキリスト教が禁じられていた時代、隠れキリシタン達はどんな生活をおくっていたのか?」

 

というものです。

ポルトガル人宣教師の目線で物語が進みます。

 

 

この手の歴史物をテーマにした映画や小説って、

かたそう、難しそう、つまらなさそう、そう思いませんか?

 

私は歴史には正直興味がありません。

大河ドラマとか見たことないです・・・)

宗教についての知識もゼロです。

 

 

 

しかし、この映画はそんな私のような人間が見ても

とても引き込まれる、衝撃的な映画でした。

 

 

自分の住んでいる「日本」という国がどういう国なのか。

気付かないうちに自分の中に根をはっている「日本人」という気質について、

そしてそれを通して見た「宗教観」について、

ものすごく考えさせられました。

倫理観に訴えかけるような鮮烈さで。

 

本当に、知識ゼロで見ても、歴史に興味がなくても、退屈しません。

私は遠藤周作の「海と毒薬」がおもしろかったから、という理由だけで見たのですが、

本当に見て良かったです。人生に響くような体験を得られたと思っています。

(ちなみに2017年大ヒットしたラ・ラ・ランドは途中から寝ていました・・・)

 

また、少しショッキングなシーン(拷問)もあるので、苦手な人は注意してください。

 

 

小説部門1位「ペンギン・ハイウェイ

森見登美彦作、第31回日本SF大賞(2010年)を受賞した作品です。

主人公は小学校4年生の「僕」、青山君。

青山君は小学生にして相対性理論や宇宙について勉強している科学少年です。

そんな青山君が住む街に突然、「アデリーペンギン」の大群が出現。

青山君は科学少年として、その謎を解き明かすことができるのか?

そして気になる歯科医院のお姉さんとの恋の行方は・・・?

 

 

一見「ファンタジー」なこの作品。

しかしジャンルは「サイエンス・フィクション」です。

 

彼の作品はラブコメが多いですが、どんなジャンルも一貫して「かなり読みやすい」です。

普段読書をしない人も、森見登美彦作品ならサクサク読めると思います。

 

 

私は大学生の頃よく森見登美彦を読んでいたのですが、

彼の作品といえば「京都」「大学生」「恋」たまに「妖怪」「摩訶不思議」「竹林」

そんな印象を抱いていました。

 

そしてそれらの作品すべてを「ファンタジー」と意識して読んでいましたが、

 

この「ペンギン・ハイウェイ」と出会い、

その印象は一蹴されました。

 

世の中にはいろんな小説家がいて、みなさん独自の世界観の上で物語を構築していると思うんですが、

森見さんの場合は「パラレルワールド」「並行世界」を描写していることが多いんですよね。

 

 

日常生活の中に、ひょいと「別の宇宙」に行ってしまう穴が開いている・・・

 

そんな作品が多いんです。

 

だから「ファンタジー」だと思い込んでいたんですが、

このペンギン・ハイウェイを読むと、

もしかしたら森見さんは「量子力学」というサイエンスの概念に基づいて、

これらパラレルワールドを構築していたのではないか・・・?

と気付いたんです。

 

量子力学ってなんやねん、って方は

小学館:先生、それって「量子」の仕業ですか?(大関真之)

を読むと、わかりやすいと思います。

 

ネットだったら、「量子コンピューターについて」や「二重スリット実験」「シュレディンガーの猫」といったワードで検索すると出てくるかもしれません。

 

 

もちろん、「科学とか宇宙とかどうでもいいよ」という人にとっても、

純粋に楽しめるストーリーです。

文章が映像的なので、その世界に入り込みやすいですね。

小学生目線で読むもよし、大人目線で読むもよし。

ペンギンも青山君もとってもかわいいです。

 

 

私はこの作品によって、ずっと「知っていると思っていたはず」の森見さんへの印象がガラっと変わりました。

そういう意味で1位に選びました。

「本」を通して「作者」を知れる作品というのは、とても素敵だと思います。

 

 

 

ランキングは以上です。

もし気になったらぜひチェックしてみてくださいね。

 

余談ですが、私は普段、本は実用書を読むことが多いです。

今年読んだ実用書でよかったものは、

 

「かわいい色の本~デザインと言葉の配色ブック~」

「入門者のエクセルVBA

Accessクエリ 2016/2013」

 

です。

なんかライフスタイルが丸見えなラインナップですね。笑

 

今年は仕事を辞めちゃったんですが、

エクセルやワード、それからアクセス(あまり知られていませんが、エクセルに似たような感じのソフトで、Winには最初から入っています)の機能を最大限に活用せず仕事してるのがつまらなくて、時間の無駄にも感じていたので、

勉強して、職場で実践して、仕事が楽しくなるように工夫していました。

 

でも世の中には「新しいシステム」への抵抗がある人というのも一定数存在しており、

そういう人たちにどうやってわかってもらえばいいのか、

そもそもそんなことせず、言われたことだけこなしていればいいのか、

1年間ずーっと考えていました。

 

 

正直つまらなかったです。

無駄なことと知りながら、それをやり続けるのは楽しくないし、

昔のやり方や伝統をずーっと守るのも、僕はあんまり好きじゃないです。

 

あらゆる物事は常に「再検討」され続けるべきだと思っていて、

特に仕事に対してはそういうふうに向き合っていたので、

出る杭を打たれるようでつまらなかった。

 

なので2018年は思い切って新しいことをやります!!

 

 

本は精神的な救いになることもありますが、

僕は本には「実質的な救い」を求めてるような気がします。

 

アスペな私にとっては"小説"も、「人間のクセ」や「パターン」を覚えるのに最適な教科書となってくれるので、ある意味実用書ですね。

 

 

来年も良い映画と本に出会えますように。

 

she